DRM購入者ガイド 2017 – ”動作の仕組み”、”主要なテクノロジー”、”ライセンスオプション”、”ビジネスモデル”、”価格設定” –【米国Streaming Media記事より】

DRMは、映画やドラマなどのエンターテイメントのコンテンツの著作権を守る手段として生まれましたが、企業の動画を守る手段としてもその活用は広がっています。
(Enterprise動画を「どの様に”安全”にかつ”セキュア”に配信するか!」 【米国Streaming Media記事より】参照)

そこでDRMを利用するために知っておきたい、”動作の仕組み”、”主要なテクノロジー”、”ライセンスオプション”、”ビジネスモデル”、”価格設定”を解説したStream Mediaの記事を紹介します。

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Buyers’ Guide to DRM 2017

How it works, the leading technologies, licensing options, business models, and pricing: This guide includes everything content owners need to know to secure their valuable assets.

By Jan Ozer
For the rest of the March 2017 (Sourcebook) issue of Streaming Media magazine.

 

http://www.streamingmedia.com/Articles/Editorial/Featured-Articles/Buyers-Guide-to-DRM-2017-117365.aspx


DRM購入者ガイド 2017

— ”動作の仕組み”、”主なテクノロジー”、”ライセンスオプション”、”ビジネスモデル”、”価格設定” –

コンテンツ資産を守る為のガイド
Stream Media 2017年4月4日掲載

米国の有名スタジオのプレミアムコンテンツを配信するには、様々なデジタル著作権管理(DRM)テクノロジーでコンテンツを暗号化する必要があります。
本記事では、「FlashやSilverlightといったインストールするだけでよかった“プラグイン”から様々な新しい機能・サービスをインテグレートする必要がある“HTML5”への移行」のに担当者が習得すべきDRMの基礎知識を解説します。

はじめに、“HTML5”での動画再生における4つのDRMテクノロジーについて説明します。
DRMは、“デジタル著作権管理(Digital rights to manage)”“暗号化(Encryption)”“ライセンス管理(License management)”、”DRM対応プレーヤー(DRM-capable player)“の4つのテクノロジーからできています。

“デジタル著作権管理(Digital rights to manage)”: コンテンツを”購買する”、”購読する”、”レンタルする”、”贈与する”といったビジネスモデルを可能にするDRMテクノロジーです。様々なプラットフォームで”ストリーミング”、”ダウンロード”、”サイドローディング”、”HDMI出力”での動画再生を、防止したり可能にしたりする「再生制限」を提供します。

“暗号化(Encryption)”: 2つめのDRMテクノロジーは、ストリーミング、ダウンロード、転送からコンテンツを保護するためのコンテンツの「暗号化」です。

“ライセンス管理(License management)”: 3つめのDRMテクノロジーは、ライセンスのリクエスト&発行を管理するためのDRMプラットフォームです(図1)。このプラットフォームには、一つのライセンスでPC、スマホ、タブレット等といった様々間なデバイスでコンテンツを再生できる様にしたり、ロイヤリティを請求する為にサーバの使用データと総再生数を追跡するドメイン・コントローラも組み込まれています。

“DRM対応プレーヤー(DRM-capable player)”:4つめのDRMテクノロジーは、DRMプラットフォームと通信し、ソフトウェアおよびハードウェア関連の再生制限をするDRM対応プレーヤーです。今までコンピュータやノートPCでの動画再生では、Adobe AccessやFlash、PlayReady、Silverlightなどのプラグインを使用するか、Google Widevine Classicを別途ダウンロードしていましたが、現在はブラウザに組み込まれたMedia Source Extensions(MSE)とEncrypted Media Extensions(EME)を利用したブラウザベースのDRMに移行しています。

モバイルデバイスでは、DRMはその端末のネイティブ・ブラウザ、またはプレイヤーアプリでサポートされます。たとえば、iOSデバイスはSafariでAppleのDRM FairPlayをサポートしており、アプリではFairPlay以外のDRM(PlayReady , Widevine Module等)も使用できます。また、スマートTV、OTTボックス、その他の民生用電子機器では、プラットフォームに予め組み込まれたDRMを使用します。

DRM市場(主なDRMプロバイダー)

ここでは主なDRMプロバイダーを紹介します。

  • Adobe PrimetimeアドビのDRMは、Accessとしてはじまり、Adobe Primetime DRMに名称変更しました。Accessは、主にブラウザでFlash経由して、またはMozilla FirefoxでHTML5経由で利用できますが、Adobe Primetimeプラットフォーム以外では使えません。
  • Apple FairPlay Streaming(FPS): FPSはAppleのHTTPライブストリーミング(DRS)のDRMで、iOS、Apple TV、OS XのSafariで動作します。AppleはFairPlayをコンテンツ所有者やプレミアムプラットフォームオペレータにライセンスします。DRMベンダーはFairPlayの暗号化とライセンス供与を提供することができますが、Appleから認証を取得したコンテンツ所有者から証明書を取得する必要があります。
  • Google Widevine端末にダウンロードするプレーヤーでのみ利用可能なClassicと、Google ChromeやAndroid搭載端末でHTML5で動作するModularの2つのバージョンがあります。現在、Classicは推奨されていません。ModularはmpegDASHでのみ動作しますが、まもなくHLSがCENCに対応する可能性があり、その場合HLSもサポートされます。
  • DivX現在、NeuLionが所有しています。DivXは、民生用電子機器に広く浸透しています。
  • Intertrust MarlinこのオープンスタンダードDRMは、Intertrust、Panasonic、Philips、Samsung、Sonyによって設立されたMarlin Developer Communityによるものです。民生用電子機器に注力しています。
  • Microsoft PlayReady 古いブラウザではSilverlightプレーヤーで、またはInternet Explorerの最新バージョン(Windows 8.1以降)とMicrosoft EdgeではHTML5で動作します。また、Xboxや他の多くのスマートTVやOTTデバイスでも使用されています。
  • Veramatrix VCASこのハイブリッドソリューションは、コンピュータ、モバイル、およびOTTデバイスに配布する有料TV配信事業者向けです。

これらのDRMは、各々の流通&技術のパートナー/サービスプロバイダーがサポートしていますが、ライセンス発行については、DRMベンダーが直接発行するケースと、サードパーティのネットワーク、付加価値再販業者が提供するケースがあり、DRMによって異なります。“コンテンツを暗号化するエンコーディング”から“ライセンスサーバーからキーを受け取り複合化するプレイヤー”までのDRMのワークフローには、オンプレミスでもクラウドでも多くのプロバイダが関わっています。次にこのDRMの仕組みについて詳しく説明します。

 

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図1:PlayReady DRMのコンポーネント:注意;すべてのDRMテクノロジーがドメインの概念を使用するわけではありません。 

DRMのしくみ

ここではDRMの動作を説明します。(独castLabs社が提供するDRMサービスDRMtodayの図を利用)

DRMの最初のステップは、コンテンツの暗号化です。
コンテンツ・プロバイダーは「“暗号キー”を前述したDRMプロバイダーから入手」若しくは「“暗号キー”を作成してDRMプラットフォームにアップロード」します。動画コンテンツはこの“暗号キー”を使って暗号化され、“暗号キー”および関連メタデータは、“ライセンスサーバ”に送信されます。(“暗号キー”はコンテンツの復号に使うので“ライセンスサーバ”と“動画プレイヤ”は相互に通信できる環境に置きます)
暗号化によってコンテンツは“暗号キー”なしで再生できなり、インターネットを介してエンドユーザに安全にコンテンツを送ることが可能となります。
ほとんどのDRMでは、図2に示す様にDRMプラットフォームとは別のプロダクトまたはサービスで暗号化とパッケージングを実行します。例えば、
> 「Encoding.comのようなクラウド・エンコーダ」は、DRMプラットフォームから“暗号キー”を取得
> 「エレメンタル、Wowza、Telestrea等のエンタープライズ・レベル・エンコーダ」は、エンコーダ側で“暗号キー”を作成、コンテンツを暗号化及びパッケージングし、DRMプラットフォームに送信
します。暗号化されたコンテンツは、配信するためにWebサーバに保存されます。

fig2 2DRMの最初のステップは暗号化です。(画像提供:DRMtoday 

ユーザがコンテンツを再生する時は、はじめに動画プレーヤからコンテンツ所有者のプロキシにコンテンツ再生のライセンス要求を送信します。要求を受け取ったプロキシは動画配信システム上の認証プロセスと通信します。動画配信システムがコンテンツのユーザの権利を認証すると、プロキシはDRMプラットフォームと通信してライセンス/復号鍵を作成しユーザーの動画プレーヤに返信します(図3)。
オフライン再生のためにダウンロードされたコンテンツの場合は、ダウンロード前にこの認証が行われ、動画の再生権と制限機能が送信されます。

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図3:ビデオを再生するには、DRMプレーヤーはライセンスサーバーからの復号化キーが必要です。(画像提供:DRMtoday)

次に、「ブラウザでDRMがどのように機能するか」、「プラグインからHTML5への移行」について説明します。

“プラグイン”から“HTML5”へ

以前のDRMプレーヤは、FlashやWidevine Classicのように別にダウンロードした“プラグイン”をブラウザにインストールするものでした。しかしこの2年間でテクノロジーは大きく変わり、これらのテクノロジーは標準化されブラウザに実装されるようになりました。
これらのテクノロジーは一見複雑に見えるかもしれませんが、その全体像を見れば比較的簡単に理解できます。

Media Source Extensions (MSE)

MSEは、メディアデータを再生するためのJavaScriptインターフェイス用のW3C HTMLワーキンググループ仕様です。MSEをサポートするブラウザとデバイスは、チャンクを再生することができます。これにより、クローズドキャプションを含むアダプティブ・ビットレート・ストリームのライブ再生とVOD再生が可能になります。HTML5ビデオタグはMP4ファイルのプログレッシブダウンロードを可能にしましたが、MSEはアダプティブ・ストリーミングを可能にしました。

Dynamic Adaptive Streaming Over HTTP (DASH)

DASHは、HTTPベースのアダプティブ・ストリーミングのための標準化されたファイル形式で、形式や機能はAppleのHLSやMicrosoftのSmooth Streamingと似ています。他のHTTPベースのアダプティブ・ストリーミング技術と同様に出力パッケージには、「断片化されたビデオファイル」と「マニフェストファイル」の2種類のファイルがあります。
DASHコンテンツは、個々のMP4ファイルとMPD(Media Presentation Description)マニフェスト・ファイルで構成されます。MSEとDASHは密接に連携します。ブラウザまたはデバイスがDASHファイルを再生するには、MSEをサポートしている必要があります。MSEは動画再生機能を提供し、mpegDASHはMSEで再生できる動画ファイル形式の1つといえます。

Encrypted Media Extensions (EME)

EMEはHTML5ベースのDRMを可能にするJavaScript APIです。(保護されたコンテンツの再生を可能にするAPIでMSEを拡張します)EMEは、コンテンツ復号モジュール(CDM)と呼ばれるものをブラウザ、デバイス、またはモバイルオペレーティングシステムに組み込むことで動作し、ブラウザまたはデバイスがライセンスサーバーと直接通信できるようにします。

Common Encryption Scheme (CENC)

CENCは、圧縮されたオーディオ/ビデオデータを使用して、1つまたは複数のDRMテクノロジのDRM関連データを格納するために使用される標準的な暗号化およびキーマッピング手法を詳述しています。ほとんどのブラウザ、他のデバイスでは、一つのDRMしかサポートされないため、複数のDRMを管理する機能は重要です。マルチDRMサポート環境の構築はほとんどのビデオ制作者にとって必須です。

ISO Base Media File Format (ISO-BMFF)

ISO BMFFは、DASHエンコードされたビデオとCENC DRMメタデータを含む標準化されたファイル形式です。(図4を参照)。左側にはISO BMFFがあり、これには3つのエンコードされたDASHコンテンツと、DRMのDASHencodedコンテンツとCENC DRM情報が含まれています。この情報は、クラウド経由でEME互換ブラウザに配信され、適切なライセンスサーバー(1つ2つまたは3つ、3つ全てではない)と通信し、復号キーが取得されます。解読されると、DASHデータはMSEを介して再生されます。

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4HTML5DRM操作のナットとボルト(画像提供:BuyDRM 

 

次に、ほとんどのストリーミング配信者がサポートする必要があるEMEについて説明します。

EMEの活用方法

DRMがプラグインと結び付いていた時は、そのプラグインをサポートしているブラウザであればDRMは動作しました。例えば、Adobe Accessで保護したコンテンツはFlashをサポートするすべてのブラウザで動作しました。

しかしEMEではプラットフォームによってサポートするDRMが異なり、表1あるようにブラウザはすべて異なるDRMテクノロジをサポートしています。
MicrosoftはPlayReadyをInternet ExplorerとEdgeでサポートし、GoogleはChromeでWidevineをサポート、AppleはSafariでFairPlayをサポートしています。Firefoxは、Adobe AccessとWidevineの両方をサポートしています。DivX、VCAS、Marlin等はEMEでブラウザとインテグレートする事ができず、各々独自のダウンロード型プレイヤが必要でHTML5の世界では不便です。

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表1:ブラウザによるDRMのサポート 

表1は“どのDRM”が“どのプラットフォームをサポート”しているかを示した非常に便利な表で、DRMtodayのウェブサイトに掲載されています。

デスクトップからモバイルに目を移すと、“ブラウザでの再生”と“アプリでの再生”の二つの選択があります。
ブラウザベースの再生の場合、AppleはiOS 6以降でFairPlayをサポート、GoogleはAndroid 3以降はWidevine Classicで、Android 4.3以降はWidevine Modularでサポート、MicrosoftはWindows PhoneをPlayReadyをサポートしています。
アプリではもっと自由な選択できます。たとえば、BuyDRMによって提供されているApp互換性マトリックスの図5を見ると、PlayReadyは全てのデバイスで利用でき、オープンソースのMarlin もiOS及びAndroidで利用できます。基本的に、ブラウザベースの再生ではプラットフォームごとに1つのDRMしか利用できませんが、アプリでは通常複数のDRMが選択できます。

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図5:アプリを使用すると、モバイルプラットフォームでのDRMの選択肢が広がります。(画像提供:BuyDRM) 

一方OTTでは、AppleTVを除くほとんどのプラットフォームでPlayReadyが圧倒的に利用され、AppleTVではFairPlayのみがサポートされています。Widevineは、ChromecastやAndroid TVなどのGoogleデバイスで利用できますがPlayReadyを利用しているAmazon Fire TVでは利用できません。ほとんどのスマートテレビはPlayReadyをサポートしていますが、WidevineとMarlinもサポートしています。XboxとPlayStationはどちらもPlayReadyをサポートしており、SonyデバイスはMarlinもサポートしています。

DRMとライセンスパートナーの選択

ここまでで、DRMテクノロジを選択するには、最初に再生プラットフォームを選択し、それからサポートするDRMを確認すべき事が理解されたと思います。
コンピュータ上のすべての主要なブラウザをサポートするには、マルチDRMをサポートする必要があります。しかしEMEはまだ視聴者の100%をサポートしているわけではないので、EMEをベースにしたDRM戦略は「プラグインベースのDRM、Flash経由のAdobe AccessまたはSilverlight経由のPlayReadyへのフォールバックを有効にする」必要があります。この代替戦略を複雑にしているのは、AccessをPrimetimeプラットフォーム内でのみ利用できるようにするAdobeの方針であり、Primetimeユーザ以外はFlashにフォールバックできません。

モバイルプラットフォームでは、アプリを開発するか、ブラウザにするかを決める必要があります。前者の場合、DRMの選択肢は非常に柔軟です。

OTTおよびスマートTVに目を移すと、利用するデバイスごとにDRMを決めなければなりません。

DRMライセンシングの選択

ターゲットとするプラットフォームを選択し、サポートの必要なDRMテクノロジを特定したら、次にライセンシング・プロバイダを選択します。ライセンシング・プロバイダの選択は、ライセンシングをDRMベンダと直接契約するのか、ライセンシング・パートナーを利用するのかなど様々な方法があり、“どのDRM”が“どのプロバイダ”でサポートされているかが主な検討事項になります。代表的なサービスプロバイダーを表2にまとめました。(注:この市場は変化が激しいため、決定をする前に各プロバイダーに最新の情報を確認してください)

Netflixは、EMEとMSEでDASHでエンコードされたファイルを再生するために、Appleから直接FairPlayのライセンスを受けています。(これはコンテンツ所有者だけの特権です) 表2に載っているベンダーは、HLSコンテンツの保護にFairPlayを提供できますが、DASHは提供できません。

Netflixは、EMEとMSEを使用してDASHでエンコードされたファイルを再生するためにAppleからFairPlayのライセンスを受けていますが、コンテンツ所有者だけがその権利を持っているようです。表2に記載されているすべてのベンダーは、HLSコンテンツを保護するためにFairPlayを提供できますがDASHは提供できません。

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表2:マルチDRMサービスプロバイダのリスト 

表2にはBrightcove、Kaltura、Ooyalaなどのオンラインビデオプラットフォーム(OVP)が載っていませんが、これらのOVPはブラウザでネイティブにEMEをサポートし、古いブラウザにシルバーライトやフラッシュをフォールバックし、モバイルデバイスやその他のデバイスに配信する為のSDKを提供しています。

2016年にAdobeは、Adobe Primetime HTH TVSDKを導入しました。これは、各ブラウザのネイティブEMEで駆動するDRMを使用しています。また、AdobeはExpressPlayと提携して、必要なすべてのDRMにライセンスを発行するためのクラウドサービスを提供し2016年後半に利用可能になると発表しました。お客様はAdobeクラウドを、DRMライセンシングに使用したり、クライアント上のAdobe Primetime TVSDKと組み合わせて限定されたライセンス管理者セットを使用することができます。本質的に、OVPまたは類似のプラットフォームを通じてコンテンツを配信する場合、そのサービスまたはプラットフォームは、必要なDRMまたは表2に示すようなサードパーティのサービスプロバイダを統合するための簡単なパスを提供できる必要があります。Adobeは今後サードパーティのDRM再販業者をサポートしないと述べており、2017年以降Adobe Accessに関する表2の標記を変更する可能性があります。

DRMによるコンテンツのパッケージ

独自のDRMのサービス提供とプレーヤ開発している開発者にとって、“エンコーディング”と“パッケージング”のワークフローへの“DRM”の統合は重要なファクターであり、サービスによってそのアプローチは異なります。

たとえば、DRMtodayを提供しているcastLabsは、100以上のオーディオ/ビデオコーデックの組みあわせの入力を、クローズドキャプションにも対応したDASH、Smooth Streaming、HLSのDRMパッケージを出力するクラウドサービスを提供しています。

もしサードパーティのクラウドサービスを使ってエンコードする場合、そのクラウドサービスがDRMを直接サポートしているかを確認してください。たとえば、Encoding.comはWidevineライセンスを直接提供しますが、PlayReadyライセンスはBuyDRMとの連携です。BuyDRM はAWS、Akamai、Brightcove(Zencoder)、Encoding.com、Google Cloudで展開されています。
もし自分のコンテンツを自分でエンコードする場合、ベンダーがあなたのプラットフォーム(Windows、Linux、クラウド)でエンコーディング&パッケージング機能を提供できるかを確認してください。

あなたのサービス・プロバイダやパートナーが「動的暗号化」(静的暗号化でなく)をサポートしているかどうかを確認してください。動的暗号化は、ワークフローを簡略化し、ストレージコストを削減します。たとえば、Wowzaストリーミングエンジンは、動的にライブ及びVODコンテンツを、“Apple HLS”、“Microsoft Smooth Streaming”、“DASH”のプロトコルで、“PlayReady”、“Verimatrix VCAS”のDRMをサードパーティのDRMサービスプロバイダ(BuyDRMEZDRM、およびVerimatrix図6)。)を使って、暗号化&パッケージングできます。

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図6:WowzaストリーミングエンジンのDRM機能は、複数のベンダーからのサポートを受けて、動的な複数形式の暗号化とパッケージングを提供します。 

Microsoft Azureなどが提供している動的暗号化では、暗号化されていないコンテンツのコピーを一つサーバーに置きます。一方、静的パッケージングモデルでは、すべてのコンテンツのすべてのテクノロジに対応する暗号化パッケージを作成・保存しなければならない為、ストレージコストがかかります。

ダイナミックパッケージングの欠点は、再生の遅延で、これはテクノロジプロバイダによって異なります。

Pay TV向けDRMサービス

あなたがストリーミングや他のクライアントに配信するPay TVサービスプロバイダでしたら、更に、選択肢があります。

VerimatrixはDRMやその他の製品を放送&Pay TVマーケットで販売しています。Verimatrix社の顧客はストリーミング配信にビジネスを拡大している為Verimatrixは、iOS、Android、レガシーなデスクトップブラウザ、およびSTB向けに彼らのVCAS DRMをマネージするMulti-Rights OTTサービスを作りました。そのサービスにはVCASだけでなくChromeおよびその他設備用のWidevine、XboxとWindowsのクローズド環境向けのSmooth Streaming、及びDASHの為のPlayReadyが追加されています。

デジタルTVサービス・プロバイダ向けのAnyCastセキュリティ・サービス・プラットフォームの開発者であるNagraは、Verimatrixとは異なるアプローチをとっています。Nagraは、コンピュータ、モバイルデバイス、およびCEプラットフォームをサポートするためにサードパーティのDRMプラットフォームを使用するのではなく、セキュアプレーヤーやその他のテクノロジを使用して独自のDRMテクノロジでプラットフォーム展開しました。

Cisco VideoGuard Everywhere(VGE)は、Pay TVサービスがSTBだけでなくコンピュータ、モバイルデバイス、およびゲーム機で安全に再生できる様にしました。VGEでは、DRMテクノロジへのアクセスを許可するだけでなく、シスコはビデオサービスソリューションのすべてのコンポーネントを統合する責任を負います。これには、異なるDRMシステムの導入、導入後のサービスの監視、サービス違反への対応などが含まれます。

ビジネスモデルと価格

DRMとプロバイダを選択する際、ターゲットとするプラットフォームと、今後計画しているビジネスモデルのコンビネーションも確認してください。

モデルが、オンラインクライアントにストリーミングするモデルの場合、ほぼすべてのDRMとDRMプロバイダがこれをサポートしているため、モデルはかなりシンプルです。一方、サブスクリプションモデルを実装したり、コンテンツをオフラインでダウンロード・再生したり、コンピュータにダウンロードして更に別のデバイスに読み込んだりすると、問題が発生する可能性があります。

ビジネスモデル以外にも、構築と運営の両方のコスト、特に追加のコストは、プロバイダによって大きく異なります。たとえば、表2の多くのサービスプロバイダは、AndroidやiOSアプリケーションを作成するためのSDKを提供していますが、一部のサービスはわずかな料金で利用できますが、他のサービスプロバイダはかなり高価です。価格を比較するときは、サポートするすべてのプラットフォームとそのサポート方法(アプリまたはブラウザ)を知っておく必要があります。そして、それを達成するために必要な各モジュールまたはサービスに最低限の月額料金とパーライセンスの費用を加えなければなりません。ストレージコストも考慮する必要があります。

プレーヤー

最後の注意として、JW Playerのような既製プレーヤー(OTS)を使用する場合、すべてのDRMをサポートしているわけではないことを理解してください。
例えば、JW PlayerがDASH再生でサポートするDRMは、WidevineとPlayReadyです。
そのため、OTSプレーヤーの提供者にサポートしているDRMを直接確認してください。さらに、プレーヤ事業者が関連するプロバイダーとパートナー関係を持ち、簡単に連携するためのアプリケーションを提供しているかを尋ねてください。

たとえば、JW PlayerはマルチDRMプロトコルのVualtoおよびBuyDRMとパートナーシップを結んでいます。同様に、CastLabsのPRESTOplay for Browserを使用する場合、姉妹会社のDRMtodayは自然なDRMプロバイダーの選択です。モバイルプラットフォーム用のアプリを作成する場合は、開発をスピードアップするためにSDKを提供しているかを確認します。

著者の注:著者は、この記事のテクニカルサポートについて、BuyDRMのCEOであるChristopher Levyに感謝します。

この記事は、ストリーミングメディア誌の2017年3月号に掲載されています。